• Sakiko

ポリネシアの伝統的航海術を継承する挑戦

最終更新: 1月27日


「この方向に進むとフレンチポリネシアに到着するよ。」

キャプテンが、まるで遥か遠くに島が見えているかのように 水平線を指して教えてくれた。

目の前に見えるのは海、波、そして水平線。

帆船が波に揺られている。

身体も大きな波のうねりに合わせ、揺れ続ける。

後ろを振り向くと、ラロトンガ島の青々とした山々が聳え立つ。

その姿が徐々に小さくなっていく。

でも、目の前に広がるのは、水平線のみ。

目印も、目標物も何もない、大きな外洋がきらきらと水平線まで輝いている。

そして、波が途絶えることなるつづく、つづく、つづく、、、、

「どうしてこっちの方向にタヒチがあるのかわかるの?

四方が海で何も陸の目印がない時には、どのようにして方角が分かり、行き先を定めることができるの?」

「僕たちは海を読むことができるのさ。

海流の流れ、波の立ち方、海の色と香り。

風の向きや強さ、渡り鳥の飛び方、魚たちの動き、太陽の高さ、そして夜に輝く星たちの位置。

すべてが私たちに教え、導いてくれるのさ」

古代のポリネシアの人々は、帆船を巧みに操る外海航海術を心得ており、

太平洋に散らばる島々にたどり着き、移動し、定住を始めた。

自分たちを取り囲むありとあらゆる自然とその現象を理解し、

それをヒントに航海をするスターナビゲーション。

「海を帆船で旅していると異なる潮の香り、

遥か遠くにありまだ視界では確認できない島のにおいがしてきたりするのさ。

帆船が波に揺れるリズムと感覚で、寝ている時にはっと飛び起き、

自分達の進む方向が誤っていることに気がついたりすることもあるよ」

彼らヴォヤジャーは、

実際に海の上で五感を使って感じ、学び、航海術を理解している。

そんな風にして、大海にまさに木の葉のように浮かび、

遥か遠くにある見えない島を感知し、ナビゲートしていく技術と能力を古代のポリネシア人は備えていました。

ポリネシア人の起源。

自分たちのルーツを求め、

そしてその伝統的な航海技術を継承しようとする動きがクック諸島では起きています。

Cook Islands Traditional Voyaging Society

クック諸島の伝統航海術を守る会

8世紀頃にニュージーランドへ定住を始めた際に利用されたという帆船のレプリカである、

帆船マルマル・アトゥア号(Marumaru Atua)を所有。

Marumaru Atuaとは、”クック諸島を見守る神の保護の元に”という意味。

現在クック諸島でスターナビゲーションを心得ているキャプテンは3名しか残っていない。

そしてその3名も、実際に帆船に乗る機会も少なくなり、また

実際に外洋に出て航海をする回数も僅か一年に一度あるかないかのみ。

「地上にいる時間が長くなれば

その航海術の感覚も鈍くなるし、記憶も定かでなくなることもある。

我々はポリネシア人は帆船に乗り、航海に出続けなけらばいけない」

と、ひとりのキャプテンは語る。

若者も海外に行くには飛行機で移動するのが当たり前。

暑く、厳しい環境の帆船のクルーになるなんて、、、

頼まれてもNO!!!というのが現在の若者のよう。

そんな現状をなんとか改善し、

自分たちのポリネシアの伝統を守り、

ヴォヤジャーとしての知恵と魂を継承しようと、

クック諸島の伝統航海術を守る会では毎週土曜日に航海トレーニングを行っています。

早速、私もその様子を見届けるため、ヴォヤージに参加してきました。

帆船に乗り込み、クルー達がテキパキと

マストを張り、乾燥し暑くなったデッキに水をまいたり、ロープの調整等々手際よく物事が進んで行く。

今日の無事の航海を皆で輪になり手をつなぎ祈ってから、いよいよ出航!

数百メートルの距離をソーラーパワーのエンジンで出たら、

ざぶん、さぶん、と心地良い波の揺れを感じ自分達が外洋に出たことを体感する。

帆船の航海は五感で感じる、ということがまさに理解できる。

キャプテンが見極めたベストタイミングにかける合図により、 マストの張り替えや風に合わせ方向転換をするチームワークと手際の良さはお見事の一言。

3つのチームに分かれたクルーたちが一段となり、

”帆船を望む方向に進ませる”、という目標のもとに団結し、行動。

無言の中、一人一人がきっちりと、しっかりと、そして力強くタスクをこなしていく。

まるで、海を進むサムライ集団のようで見とれてしまった。

大きな木製の舵取りのオール。

波の動きで揺すられる体と帆船とどっしりと腰を構えて抑え、方向を定め、コントロールする。

キャプテンが常に水平線を望み、方向を確認し、

シニアクルーが新人に順々に舵を取らせながら、その感覚、

そして進行方向の定め方、固定の仕方、そしてずれた場合の修正の方法を一緒に舵を取り、教える。

海の上の動く帆船学校のナビゲーションレッスンが今日も、順調に行われていた。

風と人の力だけで、太平洋を横断し、

クック諸島からタヒチへ。

そして、ガラパゴス、アメリカへ。

また別方向にサモア、ニューカレドニア、ニュージーランドへと下る、、、。

このような海を渡る壮大な移動の旅は飛行機のみで可能であるとばかり思い込んでいた。

まわりのあらゆる自然を感じ、理解し、海を渡る。

自分達の力で島を見つけ、ナビデートする壮大な帆船の旅。

一気に、スターナビゲーションの魅力と深さに魅せられてしまった私。

もっと深く知り、学びたいなあ。

海のサムライたちのナビゲーション訓練航海に立ち会い、

彼らの心と魂を少しだけ感じた。

そして、ディスニーの映画「モアナと海の伝説」の世界にぐっと近づいた心地がした。

現代のモアナとマウイを目指して、

共に大海原に乗り出し、

波に揺られながら、いつか私も帆船のヴォヤージに旅たってみたいなあ、と新たな夢が生まれた。

「クック諸島の伝統航海術を守る会」の航海ナビゲーション訓練は、毎週土曜日に行われ、 どなたでも参加・見学が可能です。

もし、土曜日にクック諸島にいらっしゃり、ご興味がある方はご連絡ください。

Cook Islands Traditional Voyaging Society

クック諸島の伝統航海術を守る会の航海ナビゲーション訓練

日時:      毎週土曜日。出航時間、その日の天候・訓練内容により11:00 - 12:00。修理等の都合により出航しない場合もあり。

待ち合わせ場所: ナタンギア・ムリ地区のMooring Cafe付近のビーチ

コンディション: 1人50ニュージランドドル。海トレーニング・帆船の修理代のための寄付も歓迎。

#海 #アクティビティー #マオリの人々 #モアナと伝説の海 #ポリネシアンカヌー

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