リーフの岩の影が、より多く見えてきたら、引き潮のサイン。
気持ちの良い金曜日の夕方。
女性たちは待っていましたとばかりに、海に入りおしゃべりをしながらリーフを目指す。
目的は今日の夕ご飯。
ウニとなまこだ。
「男たちはみなラグビーの試合を見に行っているから、今日は私たち女友達だけできたんだよ。」
ニュージーランドのオールブラックスが知られるように、
クック諸島でもラグビーは大人気のスポーツ。
この週末の3日間は大きなラグビーのトーナメント戦が開催されているよう。
家から飛行場の滑走路を挟んで反対側に位置するスタジアムからは
時折、大歓声が聞こえてきていた。
やはり満席だったみたいだ。
もしかしたら全島民の1/4ぐらい(?)は応援に行ったのかもしれない。
あたたかな心地の良い海水温度。
時々魚が足元を泳ぎ過ぎる。
深いところで大人の腰ぐらいになる。
もちろん足元までしっかり透き通って見える。
「以前はビーチから海に入ったら、
リーフまで歩いて行かなくても
5-10m浜から歩いたら充分たくさんのウニがたくさん採れたもんだよ。」
子供がもう何人もいそうなルーシー叔母さんは語りながら海を進む。
「近年は海水の温度が高くなったし、
外海のフレッシュな海水がラグーン内にあまり入らなくなったよ。」
地球の温暖化等による影響は、クック諸島の人々も日々の海との関わりで、
ひしひしと感じているという。
リーフに到着した。
岩がごつごつしている。
外海からの強い波の流れを足元で感じる。
豊富な海の恵み。
集中して真剣に探さなくても、至るとことに獲物が見つかるのがラロトンガ風。
彼女たちは楽しそうにおしゃべりを続けながら、思い思いにウニとなまこを採っている。
袋もずっしりと重くなり、日が暮れ始めると、
来た海の道をビーチに向かって再びのそのそと歩き帰る。
今日も綺麗な夕焼けだ。
クック諸島では、ライムを絞って食べるようだ。
彼女たちは一仕事のご褒美として、浜辺に座り美味しそうに1つづつウニを食べてから、家族の待つ家に帰って行った。
気持ちの良い、お腹にも嬉しい夕方の海の散歩でした。
写真)本日の収穫。みんな大満足。