top of page

幻のキングバナナを求めて山へ


娘が課外授業で聞き、知人がちらっと話しているのを聞き、その名前から興味が沸く。


島の山奥にしか生えておらず、見た目も味も普通のバナナとは全く違うらしい。

やはり”キング”故なのだろう。

「王様」と呼ばれているバナナ、ぜひ見てみたい!


知人が、キングバナナの畑の手入れ&新しい苗を植える作業をするということで一緒に連れて行ってもらいました。場所は、ラロトンガ島の北側から内陸に入りタクバイネ渓谷の奥、車で道路終点まで行き、そこから小川沿いに山道を登って行き約20分。


まるで日本の田園風景のようなお米ではなく、タロイモの段々畑が広がる太平洋の真ん中で和を感じる渓谷で、私も大好きなラロトンガの風景の一つです。周りはこんなジャングル。深い緑に囲まれて、小川のせせらぎに耳を傾けると島にいることを忘れます。


クック諸島マオリ語でùtù (発音ウトゥー)

学名:Musa Troglodytarum

英語では、King Banana(王様のバナナ)、もしくはMountain Banana(山のバナナ)と呼ばれます。


なぜでしょうか。


私の予想は、「山の中に実るので珍しく重宝され、島のアリキ たちに捧げられたバナナだから」だったのですが、この安易な想像は全くハズレでした。


答えは、

「ほら、見てごらん。全てのバナナは身がぶら下がるように地面に向かって垂れ下がって実るけれど、このキングバナナだけは天に向かって上に実るんだ。だから、全てのバナナの王様のようだと、King Bananaと呼ばれるようになったんだ」と、いうことです。


見えますか?

葉の中心、一番高いところの割れ目からバナナがニョキッと上に実っています!

びっくりしました!



幹は1.5m - 3mの高さまで育ち、その特徴は皮の下の方が濃い紫色をしていて、葉も緑が光っているような色合い。


そして幹を切ったら、Wow! なんと紫色です!


芽が出てから花が咲き実が実るまで約24ヶ月。

その後、実が熟し食べ頃になるまで更に4ヶ月。

食べるまでに2年以上の月日が必要なKing Banana。確かに、栽培用に適さず、こうやってこっそりと山奥で大きくなり、実っているのに適しているのかもしれません。

バナナのサイズは大きく、ずっしりと太く、色は赤からオレンジ色が熟している証拠。

お味の方は、私たちが食べる普通のバナナと比べたら甘くなく、でんぷん質が多い。

生で食べることができず、煮る、焼く、蒸す必要があります。味付けは南国らしくココナッツクリームが一番とのこと。


今日の仕事は、ミニハイキングを楽しみ、荒地の草刈り、キングバナナの株を切り分け、”小川の音を聞きながら大きくなーれ”と畑を作りました。


今日6月の第一日曜日はエリザベス女王の誕生日を祝う祝日、Queens' Birthday に出会ったKing Banana


「Queen誕生日の祝日休暇」。クック諸島の女王様って誰?

https://www.cook-islands-concierge.com/post/2017/06/05/queens-birthday

ロイヤルな気分に少し包まれたラロトンガ島暮らし、まだまだ発見に心躍る日々が続くようでワクワクします。


bottom of page