「古くて、汚れた日本国旗が出てきたんだ。
何か文字が書いてある。おそらく日本語だから翻訳してくれないか」 と、知り合いから連絡があった。
この不思議な問い合わせに、想像が膨らみ、そわそわしながら時間を過ごした。
なぜ日本国旗がラロトンガ島に???
全く想像がつきませんでした。
謎です。
もしかしたら何かの間違い?
数時間後に現れた、男性が持っていたのは、確かに日本国旗でした。
時の流れを感じる、でも立派な日本国旗には、
「メリークリスマス
ミスターロレンス
インラロトンガ」
と、書いてありました。
私の知る限り、日本が関わったクック諸島で撮影された、唯一の映画 「戦場のクリスマス(英語タイトル Merry Christmas Mr. Lawrance)」
日本軍捕虜収容所を舞台にして、日本軍人と英国人捕虜との複雑な関係を描いた映画で
1942年、日本統治下のインドネシアジャワ島の日本軍俘虜収容所が舞台。
この映画撮影隊のみなさんが置いていったものでした。
撮影に実際に使われたのでしょうか?
それとも、クルーたちの記念撮影のものなのでしょうか。
その当時、ラロトンガ島はどのような感じだったのだろうか。
ラロトンガ島でエキストラとして関わった人たちはいるのだろうか。 想像は膨らみます。

旗には、同時に一人の日本人の名前が書かれていました。
「高田和夫」
撮影隊の一人の方でしょう。
お元気でいらっしゃることを願います。
この旗は、ラロトンガ空港前、
海を望む墓地の横にある、RAS(Returned Servicemen Association)
退役軍人アソシエーションのミュージアムの展示物として、額に入れて飾られるということです。
もし、高田さんと繋がる人がいたら、お伝えいただけたら嬉しいです。
ご寄贈いただいた日本国旗、今でも、ラロトンガ島で大切に保管され、展示されていますよ、と。
また一つ、日本とクック諸島が繋がる歴史が増えたこと嬉しく思います。