開会式の興奮が冷めないまま、始まったクックアイランズゲームの初日。
まずは、私が一番楽しみにしていた、トラディショナルゲーム。
クック諸島の伝統的ゲームの島チーム対抗戦。
ココナッツの実をハスク(割って開ける)したりするのかな?
子どもたちが竹馬で遊ぶのも見たことがあるけれど、と少しは想像がつくものの、
その他にどのようなゲーム種目があるのかは未知の世界。
「まあ、とにかく見に来なよ。絶対楽しいからさ
You should come, You will have fun!」
アナウンスされていた集合時間少し前に到着した私たちはまだまだ日本人の感覚でした。
予定時間過ぎからパラパラと人が集まり始め、結局は1時間あまり遅れで始まった大会、最初の種目から大盛り上がりでした。
まずは竹馬を使った3種目
・竹馬レース(直線距離を竹馬で、早く走り抜けゴールした人が勝ち)
・竹馬片足バランス競争(長い間、片足で立っていることができた人が勝ち)
・竹馬相撲(円の中で相手を攻撃して、長く生き残れた人が勝ち)
小さい時からよく竹馬で遊んでいたことがわかる女の子、
競技に出るために少し練習しただけの男の子、など竹馬を操るテクニックの差は歴然でした。
次は、島のお手玉競争。
何を回しているのかあ、と思ったら、ライムでした。
人々は、島にあるものでうまく遊びを思いつくものだなあと、感心。
・ライム2個をお手玉する
・ライム3個をお手玉する
・片手ライムお手玉
これは、思ったより皆プロ級で、長く続けてスイスイとライムを回すので
見ているだけでも芸のようで楽しく応援できました。
さて、ここから更に盛り上がるチーム対抗戦。
大人たちが、真剣に競う姿、微笑ましいなあと思いながら声援にも力が入ります。
ヤシの実(ココナッツ)を使ったゲーム
・12個のヤシの実を縛った棒を抱えて走るリレー
飛脚ような手法で、天秤のように両端にヤシの実を結び、天秤のようにして運ぶ。
椰子の実をくくりつけるのも、すべて伝統的なものを利用しなければいけない、という規定。
(ナイロンの紐などは使ってはいけない、ということ)
走っている時に、コロコロと転がっていくヤシの実を広い、
手で抱えながらぎこちなく走るチームもありました。
多くのチームは、ヤシの実の皮を割き、ファイバー状にして紐を作り、縛り、
棒にくくりつけていました。まさに伝統的な知恵と技!
一瞬で駆け抜ける若者の横で、踊りながら運ぶシニアなど、
勝ち負けだけが大切ではなく、思いっきり楽しむことが優先!というチームもみまれました。
・ココナッツハスキング早割競争リレー(ヤシの実を割り、皮を剥がす速さを競うリレー)
男女混合チーム。ココナッツが置いてあるところまで走り、ヤシの実を一つハスクする。
終わったら、また走り次の人へタッチ。
早く全員が終了したチームが勝ち。
もちろん、高校生ぐらいの若者たちがもちろん頑張っていたけれど
50代、60代も若者に負けないぞ、と気合200%で張り切り参加。
特に男系軍、目が真剣でした!楽しい。
クック諸島、ホント幸せな国です。
ヤシの葉編み編み競争
これは、個人戦でもありチーム戦でもある。
よーいスタート、の合図で、一斉に芝生の広場に編み方を知っている人がズラーっと座り、
黙々と自分の作品を編み上げる。
うちわ、お皿、小さなカゴ、大きなバスケット、魚入れ、野菜入れ、屋根飾り、 壁飾り、ハートなどの装飾品。
クック諸島でも、皆がヤシの葉を編むことができるということはない。
誰もが知る編む名人がいたり、離島出身の人たちは日常生活で使うことが多いのか、編める人が多い。
100人余りの人が、一斉に、もくもくと編み始める光景は圧倒。
人の話し声よりも、ヤシの葉がカチカチと擦れ合いながら、編まれていく音の方が
会場に響き渡っていました。
ステップを一つでも間違えたら編み方がおかしくなってしまうので、
皆集中しながらも、いちに、いにち、と数えながら編み、カメラに向かっては満面の笑み。
プロです!
終了の合図とともに、出来上がった作品の数々が、
チーム毎に並べられ、その出来具合、バレエティー、
難しい作品のテクニック度、芸術&クリエティビティ度など総合的に審査されていました。
全ての競技終了後、結果発表。
いつの間にか、会場にはポールが建てられており、まさか、と思ったら、旗の掲揚があるようでした。
優勝チーム、アチウ島に木製のトロフィーの贈呈、
そしてアチウ島の島歌が流れ、島旗の掲揚。
大合唱となり、伝統競技大会は終了となりました。
想像したとおり、なんともクック諸島らしい心温まる種目の大会でした。
老若男女、もちろん勝ちたいけれど、楽しむことが大切。
自分の故郷の島のアイデンティティを確立し、他の島と競い合う。
誇らしげに島の歌を歌い(涙ぐむ人も少しいました)、仲良く同じユニフォームを着る姿を横で見ていて
「私もちょっとクック諸島人になりたいな」と、ぽろっと娘もつぶやいていました。
クックアイランズゲーム、
まだまだ続きます。
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