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あなたはどこの島から来たの?


クック諸島の人々の多くは敬虔なクリスチャン。

島のあちこちに、教会が建っている。

島には全部で16の宗派があるそう。

日曜日には家族で着飾って教会に出かけると聞いていたので、

早速今住んでいるNIKAO地域の日曜日のミサに出かけてみた。

私の家から空港の滑走路を挟んでぐるっと反対側。

空港の下に対岸へと結ぶトンネルができたら何て良いのだろう、

といつも思う。

でも、空港滑走路を左手、右手には海。

そんな中、南国の花々が咲き誇る道を歩くことをできるのはなんて幸せなことか、、、

このような道を進み、、、

教会に到着。

女性はアイランドドレスと呼ばれるトロピカル模様のドレスに

RITOと呼ばれるヤシの若くて柔らかい葉の部分を乾燥して編んだ帽子をかぶっているクック諸島の正装姿。

教会の一番後ろの席にお邪魔して、

美しいゴスペルの歌に耳を傾けながら、過ごしていたら、、、、

お隣に座ってきたかわいい女の子。

まりなちゃん。9歳。

教会に行く今日は特別にピンクの口紅をつけているのか、ウキウキと嬉しそう。

「あなたの名前は?」

「あなたはどこの島から来たの?」

どの’’国”ではなくて、どの”島”出身なの?との問いに新鮮さを感じて、はっとした。

クック諸島は南太平洋の真ん中に、ちりばめたように浮かぶ15の島からなる島国。

その中で人が住んでいるのは12の島だけ。

人々は、自分がどの島の出身であるか、

そして両親、祖父、大祖父母のルーツを皆知っているし、誇りに思っているように思える。

私が訪ねると、皆そんな風に誇らしげに語ってくれる。

生まれも育ちもニュージーランドだけど、僕の両親はマンガイア島出身。

母はサモア、父はアイツタキ島。祖父はトンガ。祖父は英国。

父はタヒチ、母はクック諸島。

私たちは”クック諸島”とひとつの国で区切って、狭い世界で考えてしまっているが

南太平洋のポリネシアの人々にしてみたら

”カヌーがあれば海を渡れる”

”国境は便宜的に後で作られたもの”

なのであろう。

当たり前だけど、人々の行き来はあるし交流は盛ん。

クック諸島の違う島同士の結婚も、違う国の島同士の国際結婚ももちろんある。

南太平洋のぽつんと浮かぶ”孤立した島”のクック諸島に引っ越すという

自分自身の先入観をくつがえされた気持ちがした。

ここは国ではなく、島がひとつの文化圏のくぎり。

各島が独自の文化と誇りを持ち、他の島々と交流・交易をするポリネシア圏なんだなあと、感じた。

”私はJAPANという、とても大きな島から来たんだよ。

それは北の方の遠い島で、たくさんの人が住み、たくさんの高いビルが建っている島だよ”

とマリナちゃんに伝えた。

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