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ロマンを掻き立てる帆船 国に唯一残る伝統的な双胴船カヌー


海を眺めていたら、帆船が浮かんでいました!

あまりにも突然に目にした美しい姿に、みとれて

慌てて海岸に飛び出しました!

波と戦いながら進む、クルーたちに向かって思わず、”がんばれー”と叫びたくなる気分。

ポリネシアの人々は、

8世紀頃に現在のタヒチの島々から帆船に乗り、クック諸島に人々移住してきたと言われる。

南を目指せ。南にはもっと良い島があるぞ!、と。

マオリの言葉で、ラロトンガ島=Rarotongaの意味は、

Raro = Down

Tonga = South

Down South = "南の果て"という意味。

北から帆船に乗り、海流の流れに乗り南を目指し続け、

長い航海の末、やっと辿り着いたのがラロトンガ島。

まさに、「南の果てにようやく発見して、辿り着いた島」という由来なのであろう。

以前、帆船に乗った時、 タヒチ出身のキャプテンが

遥か1200km向こうに位置するタヒチ島の方向を指しながら、私に語ってくれたことが忘れられない。

「僕たちは海を読むことができるのさ。

海流の流れ、波の立ち方、海の色と香り。

風の向きや強さ、渡り鳥の飛び方、魚たちの動き、太陽の高さ、そして夜に輝く星たちの位置。

すべてが私たちに教え、導いてくれるのさ」

「海を帆船で旅していると異なる潮の香り、 遥か遠くにありまだ視界では確認できない島のにおいがしてきたりするのさ。」

まさに、机の上の勉強した知識ではなく、

実際に海の上に飛び出し、帆船で旅し、五感を使って感じ、

学び、航海術、そして自分たちのまわりの自然システムを理解しているのだろ

 

波に大きく揺られながら進む帆船を見ているだけでも、

自分の身体が大きく波に揺られている感じがしてくる気分。

引き潮だったので、ラグーンの浅瀬を歩き、

できるだけリーフに近づきクルー達に手を振ってみた。

8世紀人々が、海を見ていたら突然現れた帆船、

そしてその白いマストを見た時の興奮がどれぐらいのものだったのか、 私にも伝わってきそう。

ふっと、後ろを振り返ったら、

ラロトンガ島の山々が、こちらも美しく輝いていた。

この時、帆船に乗っている人たちには、ラロトンガ島の全体が

一体どのように見えていたのだろうか?

まさに「光り輝く夢と幸せの島」のようだったのではないだろうか。

毎週土曜日に行われている 「クック諸島の伝統航海術を守る会」の航海ナビゲーション訓練が、

今日も無事に行われているようでした。

私も陸からその様子を見守り、すっかり参加した気分(笑)

 

1日のクルートレーニングを終え、

帆船がナタンギア地区パスから、ラグーン内に入って行く瞬間。

島の南部に位置するここは、

まさに10世紀から

ラロトンガ島の人々が、 いやポリネシアの人々がみんな最後の経由地として、

ニュージーランドを目指して帆船で大洋に出発した地。

Departure Point of Vakas

まさに10世紀にも、

ここでは、私が今日目にした風景と

まったく同じ光景が広がっていたのではないだろうか。

ロマン溢れるタイムスリップしたような時間に浸り、今日もクック諸島の平和な1日は終わりました。

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