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国を挙げて大きな議論中 国連加入を望む?望まない?


最近、首相が口にした一言;

「我々クック諸島も、国連の加盟国の正式な一員となるように準備を進めていこうと考えている」

が、島で大きな議論を沸かせています。

クック諸島って国なの?

今でも、よく聞かれます。

はい、列記とした1国。

日本は、クック諸島を国として2011年に承認し、外交関係を結んでいます。

日本が承認したとても新しい国の1つです。

クック諸島(ニュージーランド領)という表記でしたが、

最近の世界地図には、しっかりと「クック諸島」と書かれています。

しかし、

未だに世界の約40カ国ほどとしか外交関係を持っていません。

その1つの理由としては、

「ニュージーランドとの自由連合」という特殊な関係があるため。

自由連合は、英語ではFree Association with New Zealandと表現させます。

一体、どういうことかというと、多くの取り決めがあると思うけれど、主なものは以下の3つのようです;

1.クック諸島の国民はニュージーランド国籍を有する。

2.軍事および外交の最終的な責任はニュージーランドが有する。

3.しかし、クック諸島は、主権国家と同等の内政を行うことができるし、外交関係も結んでいる。

そして、

クック諸島で流通しているのも、ニュージーランドドル。

ということで、

ニュージーランドとクック諸島は、

世界の他の国々では見ることの出来な、特別な深く&近く、また切っても切り離すことのできない様々な関係が結ばれています。

クック諸島は様々な国際機関に加盟し、

小さな一国として会議に参加し、発言をする機会は既にあります。

しかし、「国連の正式メンバー」に入ることはできず、またニュージーランドが許可していない状況があります。

その理由は;

「国連に加盟するなら、”自由連合”の取り決まりをなくす」が条件、とのこと。

要するに、良いところ取りは許さない!というニュージーランドの主張です。

すなわち、もし国連に加盟するならば、、、

・クック諸島人は、ニュージーランドパスポートの保有ができなくなる

イコール、クック諸島人はニュージーランドの市民権を失う

え?

頭がちょっと混乱するような話ですね。

実は、クック諸島は独自のパスポートを持ちません。

クック諸島の人々は、みなニュージーランドのパスポートを保持しています。

なので、いつでもニュージーランド、およびオートラリアに移り住み、その国民と同じような恩恵を受けることができます。

ということで、

クック諸島に住んでいる人は1万7千人あまり。

その5倍、6倍ものクック諸島人が実は国外に住み、生活していると考えられています。

また、ニュージーランドパスポートは

国際的に見ても、強いパスポートの1つ。

世界中の多くの国にヴィザフリーで訪問することができます。

よって、「自由連合」という

とても特別な関係で獲得した「ニュージーランド市民権=パスポート」によって

他の太平洋諸国に比べて、移動の自由が格段に優遇されているということが、

クック諸島の豊かさ、教育の高さ、生活のレベルの高さを生んでいると私は理解します。

そして、現にクック諸島の人々もその恩恵を受けて

この小さな島国に暮らしていることを実感しています。

その理由は、島のあらゆる人たちが自分はクック諸島に住みながらも

家族、親族、知人の誰かは必ずと言ってよいほどニュージーランドかオーストラリアに住んでいるから、、、。

ソロモン諸島人の知人が

以前語っていたことを思い出しました。

「私たちはどこへ行くにも、ヴィザの申請があるからいつも困るんだよ。

クック諸島に来るのだって、オーストラリアかニュージーランドのトランジットビザがないと帰ることもできないから

いつも申請・受理に時間がかかるんだ」

同様なことはフィジー、トンガ、サモア国籍の人たちみなに言えるとのこと。

「ツバルに仕事に行ったけれど、クック諸島に帰って来なくてはいけない緊急事態が出た。

でも、トランジットヴィザが取れなくて、もどかしい思いをしたよ」

太平洋に散らばる多くの島国の中で

”ニュージーランド国籍=パスポートを持つクック諸島”は、やはり特別で、

他の国の人が羨ましがる待遇のようです。

「クック諸島が国連に正式加盟する、しない」というとても大きな議論は

多くの一般人にとってはとても想像のつかない問題かもしれないが、

「ニュージーランドのパスポートを取り上げられる」ということに人々が大きく反応し、

自分たち、そして海外に現在移り住み働いている家族、親族のことを思い、

また、将来的にニュージーランドやオーストラリアの高等教育を受けさせよう、

そして子供たちに海外にて就職という大きなチャンスを、と考えている次世代のことをも思い

大人たちは「首相に大反対!」「考え直すべき!」というアツイ思いが日々新聞に投稿されています。

「他の太平洋諸国がストラグルしている状況を考えてみよう。

今の自由連合というのは、我々の先祖がプレゼントしてくれたクック諸島人の特権だよ。」

さて、

議論の行方はどうなるでしょうか。

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