ここ数日、クック諸島の国連加盟や独立国の話の中で
何度か出てきた、パスポート&国籍の話。
頭が混乱してきた方もいると思うので、一度整理しますね。
クック諸島は独立国として扱われていますが、
「クック諸島のパスポート」は存在せず、クック諸島人はみな”ニュージーランドのパスポートを保持”しています。
っえ?
では、それって結局、クック諸島人ではなくて、
クック諸島に住んでいる人たちはみなニュージーランド人ってこと?
パスポートの発行国=国籍を考えたら通常はそうなるのかもしれません。
しかし、ニュージーランドとクック諸島の特別な自由連合の関係で
ニュージーランドのパスポート&国籍を保持していても、「出生場所 / Place of Birth」が
クック諸島内の地名/島名となっている場合は、クック諸島人とみなされているようです。
クック諸島に来たい人にとっては;
クック諸島外で生まれても、両親・親族の血縁を遡り
後に、クック諸島人になったり、ニュージーランド国籍のままでクック諸島の永住権を獲得するなどの手続きはあるようです。
クック諸島から飛び出し、ニュージーランドに行きたい人にとっては;
実質、何も手続きがなく、思い立ったら明日にでもニュージーランド移り住み、
ヴィザなど特別な申請もなく、ニュージーランド人として同等の権利で住み、働くことができる、ということです。
そして、ニュージーランドを越えてその他の海外に行く際には
世界でも強いと言われるニュージーランド国籍パスポートを手に、スムーズに移動することができるという恵まれた環境があります。
ここで生まれた私の素朴な疑問?
恐らく日本の入国管理局では、「クック諸島人の年間日本訪問数」が把握できていないのではないでしょうか?
だって彼らは、ニュージーランドパスポートにて日本に入国し、滞在しているのだから。。。
日本だけではなく、これは世界各国の国でも共通するかもしれませんね。
1独立国ながら、国民の移動が他国に紛れて把握できていない国、、、不思議ですね。
だれかご存知の方がいたら教えてもらえたら嬉しいです。
下の写真はクック諸島の国家、ティアレ・マオリ
ちなみに、
このニュージーランドと自由連合という特殊な関係にあるのはクック諸島のみではなく、
ご近所のニウエも同じです。
日本政府が2015年5月15日承認した、一番新しい独立国。
そして、クック諸島と同じく大きな海洋保護区を設定した国としても先日紹介しました。
私も少し調べたのですが、
恐らく国として存在しつつ,パスポートは他国のものを使用しているという特異な国は世界で2カ国ということです。
・クック諸島
・ニウエ
ミクロネシアの以下3国は、現在でもアメリカとの自由連合関係を継続し、アメリカの市民権を保持していますが
”自国のパスポートを発行している”ということが、クック諸島とは異なります。
注:クック諸島は、ニュージーランドの市民権を持ち、且つ、ニュージーランドパスポートを保持しています。
・パラオの旗 パラオ
・ミクロネシア連邦 ・マーシャル諸島
Free Association...
ちなみに、一部の人の話によると
ニュージーランドは、クック諸島が堂々と胸を張り「独立国」として国際舞台で扱われることを嫌っているということです。
そして、ニュージーランドの憲法では未だに、独立国としては認めず、
ニュージーランド総督が管轄するNZ王国の一部とみなしているようです。
Free Association...
自由連合ってやっぱり外の私たちから見ても不思議ですし
実際に、それなりの複雑な関係と事情があるようですね。
また、他の太平洋諸国に比べて
同じく小さなクック諸島とニウエが、比較的に裕福であるのは
その国民が自由に国を越えて移動しているだけではなく、
実は、「ニュージーランドが経済支援も行う責任を有している」ということもあるようです。
これも、
Free Association = 自由連合のひとつの取り決めなのでしょう。
現在、日本にヴィザ無しで入国できる太平洋島嶼国は
これもクック諸島、及びニウエの2国のみということ。
自国に住む国民、1万7千人のクック諸島。
ニウエは、なんと1500人。
両国とも、倍以上の人が国外ニュージーランドとオーストラリアに住んでいると言われています。
特殊なニュージーランドのパスポート保持という特権を得たことにより、
クック諸島とニウエの人は自由に海を渡り、国境を越え、小さな島国から世界を舞台に活躍する道が開けている、という
とても特殊な国のお話でした。