ラロトンガ島の一本奥道に入ると普通に広がるタロイモ畑。
島の人々の大好きな、欠かすことのできない大切な主食のひとつ。
すっかり見慣れたクック諸島の日常の風景。
その数多くあるタロイモ畑の中でも、島の北東部のカレカレススワンプ(写真下)は、
最近は人の手が行き届かず少し荒れてはいますが、
このタロイモ畑は地質学的にはとてもスペシャルな湿地ということ。
まるで底抜けの沼のように深く、ずっと堆積物が積み重なっているということが理由のようです。
この沼を掘り、約10mほどの深さにぎっしりと溜まった堆積物は、なんと約9000年前~1万年前のものとなるとのこと。
この堆積物を研究するとラロトンガ島の約1万年分の地層学の歴史研究ができるとのこと。
そして、このカレカレスワンプが出来たのは、2万年前以降と考えられているそう。
なんだか、スケールが大きすぎてあまりすんなりとは頭に入ってこずに何度も頭で考えたけれど、
1万年前から今までのラロトンガ島の歴史を沼地の土から知る。
という、私の想像を超える域の研究を現在なんと日本の研究者の方たちが行っていらっしゃります。
知らないところで、このような日本とクック諸島の繋がりを見つけるたびに嬉しく思います。
私が学んだことによると、
中央部に深い山が連なるラロトンガ島の地形は,以下の3つに分類されるとのこと。
①「中央部の山地」(黒い岩石<玄武岩>からなる。100万-200万年前の噴火でできたもので、山地はこの岩石が侵食されてできた) ②山地を取り巻く「台地・低地」(12万5000年前以降にできた地形・堆積物) ③「サンゴ礁」(ラロトンガのサンゴ礁は裾礁と呼ばれる)
気候の変化・海面変化を知り、合わせて理解することによって,
ラロトンガ島でみられるいろいろな地形・地質が出来た状況が総合的に把握できるとのこと。
タロイモ畑を掘り、その堆積物から人間たちの活動が始まった痕跡を見つけ、
いつ頃ラロトンガ島に人々が移り住んで着たのか、ということを突き止めるのも研究の一つとのこと。
研究者さんたちの話は興味深く、話を聞けば聞くほぼ疑問が湧いてきて、ワクワクしてきた1日でした。