ラロトンガ固有種の鳥ラロトンガフライキャッチャー 絶滅危機を救った物語

カケロリは、スズメ目タヒキ科のラロトンガ島固有の可愛いらしい鳥です。

英名は、Rarotonga Flycather、クック諸島マオリ語ではカケロリ / Kakeroriと言います。


クック諸島のネイティブバード、その中でもラロトンガ島だけに生息していた固有種の貴重な鳥です。


今日は、このカケロリのお話です。

ラロトンガの人たちの心が届き、努力が実り、

絶滅の危機から救われ、今日では元気に飛び交う姿が見えるようになった物語をシェアします。



1800年代中旬まで、カケロリ(Kakerori, Rarotongan Flycather)は、ラロトンガ島の至る所で、

普通に目にすることができる鳥でした。


1865年から始まった商業捕鯨で外国の船がラロトンガ島に立ち寄るようになり

それに合わせてネズミもラロトンガに入って来てしまいました。

1880年代には、カケロリは人が生活する島の風景からほぼ姿を消し、森のみに生息すると考えられ、 1900年代前半に行われた調査でも確認されなかったので

絶滅してしまったのではないか、と考えられていました。



1970年代に、ラロトンガの低い丘に、小さな群れが確認されました。

1983年に21匹のカケロリが目撃され、

推定で35から50匹のカケロリがラロトンガにまだ生きているのではないかと考えれました。


1984年から確保し、足に印をつけて保護・観察をする試みが始まりました。

1987年には38匹、1988年には36匹、1989年には29匹と年々、

確実に個体数が減っていることが調査によって確認され、 "critically endangered(近絶滅種)"ということがはっきりと証明されました。


このまま自然の状態でだったら、

1998年までに、自然繁殖して増えていくのが難しい状態になり

2002年までに90%の確率で絶滅してしまう、という計算でした。

1989年には、ラロトンガのカケロリは世界中で10種類の珍しい鳥の一つ(In 1989, the kākerōri was one of the 10 rarest bird species in the world, )、で、緊急に保護活動が必要である鳥として指定されました。



ラロトンガ島南部、155ヘクターの森がタキトゥムコンサベーションエリア / The Takitumu Conservation Areaとしてカケロリの保護の森として指定されました。1996年のことです。


カケロリの生態を侵しているのは

巣をネズミが遅い、猫が若鳥や成人した鳥たちを襲っていることが分かりました。

1989年に大規模なネズミ駆除作戦が決行されました。


効果は確実に現れ、

1989年の29匹(13ペア)から、2001年には255匹(98ペア)、2017年には471匹の確認ができ

確実にカケロリたちがラロトンガの森に復活していきました。


2001年にはサイクロンや、予期せぬ自然の影響でカケロリが絶滅しないようにと

ネズミの駆除にすでに成功している、別名鳥の島/ Bird Island、アチウ島に引っ越し作戦が行われました。

毎年10匹の幼いカケロリがアチウの森に放たれ、無事に新しい環境に適応していきました。

放たれた40匹が、2017年までに約150匹に増えたことが確認されています。

これも大成功ですね。



タキトゥム保護地区が設立されてから現在まで31年間、

毎年毒を撒き、ネズミ(Ship rats)の根絶を目指して活動をしています。

現在でも、地元のボランティア、そして政府機関が協力してカケロリの森を守る動きが続いています。


保護区の活動計画はこちらから;

Takitumu Conservation Area Management Plan 2020 - 2030


世界中でたった29匹のみだったカケロリは、30年間で600匹以上にと確実に増えて

(ラロトンガ島の森のカケロリ&移住したアチウ島のカケロリの合計)、

クック諸島の森で昔と変わらず元気に飛び回り、さえずり続けています。



オス、メス、両方のカケロリは、成長するにつれて色を変化されます。


若い、1歳までの幼いカケロリはオレンジ色の羽で覆われ、くちばしの基部は黄色です。


2歳鳥はオレンジ色の羽で、くちばしが完全に黒くなります。


3歳鳥は、様々なステージの色が見られますが、オスの10%が完全にグレーの羽に覆われます。

メスは、斑点のあるグレーとオレンジ色の羽、またオスは主にグレーだけれども尾、背中上部、羽の奥にオレンジ色が残る鳥など、混合色の鳥が多くなります。


4歳以上のすべての鳥は完全にグレーの羽に覆われます。


縄張り意識が強く、一年中その縄張りに留まります。小川沿いの低い木に卵を産み(10月から11月)、繁殖シーズンは10月から2月で、一度に1- 2個の卵を産みます。


幸運なことに、念願叶い、このタキトゥム保護区を訪問することができました。


会えるかな?と期待半分で出かけたのですが、

小川沿いに森を10分ほど進むと、カケロリの群れから私たちに挨拶してくれました。

久しぶりに人の影を見たと、逆に私たちを見物にきているようにも感じました。

怯えず、近くで木に止まり、澄んだ囀りを楽しませてくれました。


現在、タキトゥム保護区は個人ツアーでは行くことはできず

野鳥愛好家、バードウォッチングファンや、エコツアーのグループは予約制でアクセスすることができます。

世界で29羽まで減ってしまった、まさに幻の鳥、カケロリを求めてラロトンガに来て見ませんか?

ご興味がある方はご連絡ください。


さて、

カケロリが確実にラロトンガの森で生き返っていることを実際に見ることができ

長年保護活動を続けている方々への感謝と、この保護物語をぜひ伝えたく、

今日はラロトンガ島の貴重な鳥、カケロリの物語をお届けしました。