期待&不安いっぱいで始まった、ニュージーランドとのトラベルバブル(Trabel Bubble)。
お互いに”安全”と認めた国同士が”Quarantee Free Travel”(隔離なしの自由な移動)を認めるポリシー、
クック諸島とニュージーランド間のみの取り決めです。
よく考えてみるとTravel Bubble(トラベルバブル), Quarantine Free Travel(隔離なし旅行)などの単語、
このコロナ禍で誕生したニューノーマルの単語。
本当に不思議な世界になったものです。
NZは世界の中でもコロナの押さえ込みに成功し、
今でも人々が以前に近い、普通の暮らしをすることができている”優等生”の国のひとつ。
そして、クック諸島は世界でも稀になった、貴重な感染者ゼロの楽園。
NZの市内感染が数ヶ月間確認されなかった。
また、オークランド空港にて、クック諸島発着便の前後2時間はどのフライトも発着せず
クック諸島便搭乗の人々をグリーンフライトとして他国からの便&乗客と完全に隔離することができる
というロジスティック準備が整ったなど、様々な入念な準備が整い、
やっとGOサインが出たということです。
当初はこのトラベルバブル、3月上旬を目指していると見込まれてはいたのですが
次々と出てくる新たなコロナウィルス関連のチャレンジで、延期延期となっていました。
クック諸島内では、「ウィルスが入ってくるリスクを負うよりは、国境を閉じたままが良い」という、
慎重論の方が多かったと私は肌で感じていました。
あくまでも、ウィルス排除の政策をとるニュージーランドは
医療設備も未熟な太平洋の島国を守る要となるNZことを当初より誓っていました。
カリブ海の小さな諸島国、そしてお隣のタヒチの島々に感染者が次々と出ているのに比べて、 南太平洋諸国は未感染国が多いのも、本当にNZ政府のお陰です。
ニュージーランドアーダーン首相とクック諸島ブラウン首相が合意し、5月17日からトラベルバブル開始!
約2週間が経過しました。
(ちなみにニウエも感染者ゼロなのですが、
トラベルバブルは急がないというニウエ政府側の姿勢があったようです)
最初の便、ほぼ満席で到着。
その次もほぼ満席状態が続いてびっくりです。
ロックダウンも数回経験し、
一年以上、国外に行くことができなかったキウィたちは旅行をしたくてたまらない、ようですね。
ラロトンガ空港では以前と同じように、花の首飾りエイの香りが漂っていました。
空港&機内はマクス着用。
税関を通り過ぎ、出口の扉の前にマスク回収のボックスが置かれ、旅行者たちはマスクを笑顔で外し、
各ホテルの送迎車に向かっていました。
空港で迎える側は、
一部のカウンターのスタッフ、ドライバーがマスクを着用していましたが、少数派でした。
一時、コロナ後のニューノーマルで、接触を減らすために、
どうやって花の首飾りエイを旅行者たちにプレゼントしようかなあという議論もありましたが
皆、以前と同じように両手で首にかけてあげ、歓迎していました。
先ずは、オークランドと週2〜3便往復。
その後は需要に応じて対応するとのことです。
(参考までに、パペーテ、ロサンゼルス、シドニー便はコロナ禍ずっと運休し、
再開のめどは立っていません)
オークランド空港、およびラロトンガ空港でポリネシアンダンサーたちにより祝福されたトラベルバブル。
ですが、NZ出国(クック諸島入国)の際に、陰性テスト表示も不必要、という政策は
クック諸島側の住民にとっては少なからずも、不安視する声が聞こえています。
逆に、旅行するNZ人たちにとっては、高いお金を払ってPCR検査を事前にする必要もなく
(約200NZD、約1万5000円)これから冬になり寒くなるNZを離れ、
暖かい南国に旅行に行けるので、嬉しい限りなのだと思います。
ラロトンガ島の住民の中では
「しばらく不要不急の外出をやめておこう」という雰囲気が少し高まり
レストランやカフェ、市内の公園で集うローカルの人々が若干減ったかなあ、と感じます。
旅行会社に勤めている私にとっては、NZ旅行社からの予約&問い合わせのメールが急増し、
社員一同、一年ぶりに忙しい勤務の日々が始まり、うれしい悲鳴です。
とにもかくも、
クック諸島にコロナウィルスが入ってこないことを願いながらの
少し不安の空気が漂う日々が、ラロトンガ島で続きそうです。
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